|
|
|
現代はストレスの時代と言われています。
人間生活において、騒音や激しい温度差や化学物質が生体の与える影響が明らかになってきたのは、1935年頃からです。
ハンス・セリエ博士が「ネズミの母体内胎盤の生理学的研究」という論文を発表し、キャノンが、交感神経が刺激されると副腎皮質ホルモン(アドレナリン)が分泌されることを発表して以来です。
現代はストレス(正確にはストレッサー)によって人間の身体が影響されることがかなり取り上げられるようになりました。
生活習慣病が現代病にあげられ、その対策として運動や食事のコントロール、そして、ストレスコントロールが大切になっています。
それだけでなく、心の問題として、気分障害や心身症がおおくなってきたのも現代の特徴と言えるでしょう。
心の疲労(ストレスでおきる症状)
《心身症》
パニック障害、神経性胃炎、ジンマシン、過敏性大腸炎、肩こり、偏頭痛、食道通過障害、拒食症、円形脱毛症、その他様々な身体症状。
《気分障害》
気分障害は中高年になった時や初老期におこりやすい病気ですが、若い人にもおこると言われています。
気分障害になる人は百人あたり二人から四人の割でなると言われています。
気分障害は「素質」、「性格」、「引き金」の合作によって起きる心理的疲労現象として考えられます。
《非社会的な行動》
自殺未遂、蒸発事件、アルコール依存症や薬物依存、ギャンブル依存等。
▼どのようなときになるのか?
1. 仕事にのめりこみ過ぎて、疲労困憊状態になった時
2. 職場の配置転換の後になりやすい、特に役割が変わったり、昇進のときになりやすい
3. 上司や同僚とうまくいかない等、人間関係からくるストレス
4. 子供が結婚、婚約、遊学などのかたちで家を出て行った時
5. 家族の死亡、別居、誕生、同居人が増えた時
6. 生命にかかわらない程度の病気、あるいは怪我によって、生活が変化した時
7. 心理的な負担が旧に増えた時、あるいは急に負担が軽減された時
8. 引越しや改築したと時や留学等の居住地の移動
9. 愛する人や物、あるいは財産をめぐる喪失体験
10. 退職して社会の役割を喪失した時
▼どのような人におこりやすいか?
1. 元気な時は働くのが好き
2. 遣り出したら徹底しないと気がすまない
3. 責任感が強い
4. 義理を重んじる
5. 人に頼まれると嫌と言えない
6. 人と争うのが苦手
7. 気が小さい
8. 人にどう思われるか気にする
9. 常識を大事にする
10. 極端なことをしない
11. 目立つのが嫌い
12. 熱しやすい
13. 朗らか
14. 物を片づけるのが好き
15. きれい好き
|
ストレスに関して,学問的に確立された定義はまだありませんが,ストレス研究の領域では生体や個人にとって負担,あるいは負荷となる刺激をストレッサー(ストレス要因),ストレッサーによって引き起こされる「不安」や怒り」,「不満」などの心理的反応と「疲れた」,「眠れない」といった身体的反応また引き起こされた喫煙や飲酒量の増加などの行動を含めてストレス反応とよび, この両者を合わせたものをストレスと総称しています。
ストレス反応が強くなって持続・固定化すれば,うつ病。高血圧・冠動脈疾患などのいわゆる
ストレス関連疾患になります。
一般的社会では,ストレッサーのことをストレス要因,ストレス負荷,スレスの原因,またストレス反応のことをストレス状態と呼ぶこともあります。
多くの場合,両者を区別することなく単にストレスと呼んでいます。
「ストレスが多い」といった場合,ストレッサーが多いことを示し,
「ストレスがたっている」といった場合,ストレス反応が発散されずに蓄積されていることを示します。
ここでは区別して用いますが,日常社会の中で一般的に使われている表現については,そのまま用いる場合もあります。
ストレッサーとしては寒冷,高温,騒音などの物理的ストレッサー,
化学物質による臭気や吸入時の刺激など化学的ストレッサー,
細菌感染や花粉なとの生物学的ストレッサー,
職場や家庭,学校における役割や人間関係に伴う負荷,試験などの心理社会的ストレッサー
の4つに分類できます。
|
個人にとって負担を引き起こすストレッサーに直面すると, これまでの経験や記憶に基づいて,その負担の大きさや困難性,苦痛の程度などが大脳皮質で評価されます。
これらの情報は大脳辺縁系と呼ばれる脳の一部に伝達されて,不安や不満,怒り,悲しみなどの感情を引き起こすとともにストレッサーに対処するための何らかの行動をとらせることになります。
また大脳辺縁系で生じた感情の興奮は視床下部に伝えられて自律神経系,内分泌系,免疫系の反応を引き起こします。
ストレッサーによる様々な感情は脳内のノルアドレナリン, ドーパミン,セロトニンなどの神経伝達物質によって引き起こされます。
これらの神経伝達物質は,不安や気分,意欲,活動性などと密接に関係しており, これらの神経伝達物の産生や伝達が障害されるとうつ病や不安障害などのメンタルヘルス不調が引き起こされます。
ストレス状態では,内分泌の中枢である視床下部の神経細胞が活性化され,脳下垂体,副腎を刺激するホルモン類が産生され,最終的にコルチゾールやカテコールアミン(アドレナリン,ノルアドレナリン),β―エンドルフィンなどが産生されます。
コルチゾールは糖の新生の促進,免疫反応の抑制,胃酸分泌促進作用があります。
従って糖尿病や胃潰瘍の発生を促進し,感染抵抗性の低下を引き起こします。
アドレナリン,ノルアドレナリンは緊急事態に直面した時,交感神経系の興奮に伴って分泌されるホルモンです。血圧や心拍数の増加,血液凝固の促進,中枢神経覚醒作用,胃粘膜血流低下などの作用があり,高血圧や狭心症,心筋梗塞,不整脈,脳卒中などの原因となります。また,不眠の原因ともなります。
β―エンドルフィンは快感とも関係していますが,運動時やストレス反応時にも脳内で分泌され,内分泌や自律神経系の過剰反応を抑制する働きがあると考えられています。
自律神経の中枢も視床下部にあり,情動の中枢である大脳辺縁系とは距離的にも近く,多く神経網で連絡されています。怒りや不安を感じる時に動悸がしたり,気分が滅入った時,食欲がなくなったりするのは,気分や感情と自律神経の働きが密接に関係していることを示しています。
自律神経系には,交感神経系と副交感神経系があり,各臓器はこの両者の支配をうけています。
生命の危機や緊張事態などの強いストレッサーに直面すると,交感神経系が優位になり,
先に述べたアドレナリンやノルアドレナリンが血中に放出されます。
これらの作用については先に述べたとおりです。
一方,副交感神経系は交感神経系とは逆に,睡眠や休息時,食後などエネルギー補給の際に優位になります。副交感神経系は消化器の機能も調整しており,胃潰瘍や下痢や腹痛,便通異常を特徴とする過敏性腸症候群などの発生に関係しています。
免疫系は感染,癌の発生などに関与しています。
仕事や試験などで過労や睡眠不足,心理的葛藤などのストレス状態が長く続いた時などに,感冒に罹病したリヘルペスや慢性扁桃炎など,通常は免疫で抑えられている病気が増悪したりすることがよく観察されます。
これは,ストレス反応時に分泌されたコルチゾールやアドレナリンなどが免疫反応を担うリンパ球やナチュラルキラー(NK)細胞の働きを抑えるからです。
以上述べた内分泌系,自律神経系,免疫系は生命をまもり,通常の身体活動を維持するのに必要な生体のバランスを保つ生命維持機構ですが,急性の強いストレス,持続的な慢性ストレス状態では,脳の伝達物質の代謝や内分泌,自律神経系,免疫系のバランスが保たれなくなり,うつ病,高血圧,脳血栓,心
筋梗塞などの健康障害が発生します。 これがストレス関連疾患と呼ばれるものです。
|
○質のよい睡眠が確保されている間は、メンタルヘルスに深刻な問題は生しない。
○睡眠を削って残業 → 集中力・判断力の低下 → パフオーマンスの悪化 → さらに残業が増え
睡眠が激る、という悪循環は避ける。
○質のよい睡眠を確保するポイントは、次のとおり。
1、刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラツクス
2、朝の光の利用でよい睡眠
3、同じ時刻に毎日起床
4、眠たくなったら床に就く(就寝時刻にこだわり過ぎない)
5、規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
6、睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
7、昼寝をするなら15時前の20分〜30分
8、眠りが浅い時は、積極的にむしろ遅寝・早起きに
9、睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
○睡眠中の激しいイビキや不規則な呼吸、足のビクつきやムズムズ感、あるいは長時間眠つても日中 の眠気で業務に支障がある時は、専門医を受診すること。
○特にイビキがひどい場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性も否定できない。
|
|
|